QLOOKアクセス解析

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告  |  ↑Top

2011/04/05 (Tue) 02:00

福島原発今後の予測被曝量計算方法

これまで被曝量の予測計算方法は何回か書いてきたが、断片的だったので整理してみる。予測被曝量は地域や年齢などによって全く異なるので、是非各自で計算していただきたい。計算自体は小学生の算数の応用問題によくある難易度レベルなので、めんどくさがらずに落ち着いて計算していただきたい。一度やってみて単位に慣れれば、その後は何kgとか何cmとか何ccのように感覚が掴めるようになる。そうなれば、政府の発表する「直ちに健康に影響はない」などの言葉に惑わされることがなくなる。自分を自分で守るため、是非やっていただきたい。

先ず原発作業員などを除く一般の人の被曝経路は以下の4つである。
1.大気中放射線による外部被曝
2.大気中に浮遊している放射性物質の呼吸からの吸引による内部被曝
3.飲料からの経口による内部被曝
4.食物からの経口による内部被曝

基本的計算手順は以下になる。
  1. 大気中放射線被曝量を、過去のデータより、状況が好転も悪化もしないと仮定して計算して、1年分に換算する。
  2. 吸引による被曝量は、大気中放射線による被曝量とほぼ同量なので、1番と同じ値とする。
  3. 飲料からの内部被曝は、過去データがある場合は過去のデータより、状況が好転も悪化もしないと仮定して計算して、1年分に換算する。過去データが無い場合は、暫定基準値ギリギリの飲料だけを摂取したとして、1年間の被曝量を計算する。
  4. 食物からの内部被曝は、暫定基準値ギリギリの飲料だけを摂取したとして、1年間の被曝量を計算する。
  5. 放射線量により人体に影響を与える度合いの表と、1番から4番を合算して影響度を推測する。
これは今後事態が好転も悪化もせず、かつ暫定規制値ギリギリの食品ばかりを摂取した場合の1年間の被曝量である。これは自然放射線による被曝も含む。

もう少し予測を正確にするなら、1番と2番に関しては今後事態が好転するか悪化するかを予想して、その分加減をする。3番に関しては、過去の発表されたデータを元に、平均して規制値の何割くらい汚染されているかを推測して計算する。4番に関しては、食物汚染は広がると可能性が高いのでその分を加味して、平均して規制値の何割くらい汚染されているかを推測して計算する。

厳密に言えばそれぞれの被曝経路、放射性物質の種類、被曝部位、長期被曝か短期被曝か、年齢などよって影響度が違うらしいが、一応目安にはなる。なお経口での内部被曝のベクレル-シーベルト変換係数ついては、経口内部被曝であることと年齢を加味して換算係数が求められている。

過去のデータについては一元管理されていないので、面倒だが各自で検索していただきたい。ちなみにサイトによっては最新のデータだけ公表されて、過去のデータが消去されている場合もある。国には、是非事故以来のデータを一元管理するようにしていただきたい。その場合、国はごく簡単なAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)でデータ配信だけを提供すればよい。そのデータを表にしたりグラフや地図などの図式化するのは民間に任せればよい。その方が見やすくまた早くできる。


では実際の計算例を茨城県水戸市の例で。

・大気中放射線による外部被曝量
データは以下のURLを参考データにする。
http://mextrad.blob.core.windows.net/page/08_Ibaraki.html

一時間あたりの被曝量平均は
3/15-3/16 2日間 0.6μSv
3/17-3/20 4日間 0.2μSv
3/21-3/26 6日間 0.3μSv
3/27-4/02 7日間 0.2μSv
4/03以降346日間 0.25μSv と仮定する。

3/15-4/02 までの実績被曝累計は
0.6μSv × 24時間 × 2日 + 0.2μSv × 24時間 × 4日 + 0.3μSv × 24時間 × 2日 + 0.2μSv × 24時間 × 7日 = 134.4μSv(マイクロシーベルト)
4/03以降346日間の予想被曝累計は
0.25μSv × 24時間 × 346日 = 2076μSv(マイクロシーベルト)
1年間での予想被曝累計は
134.4μSv + 2076μSv = 2210.4μSv ≒ 2.21mSv(ミリシーベルト)

・大気中に浮遊している放射性物質の呼吸からの吸引による内部被曝量
大気中放射線による外部被曝量と同量として
2.21mSv(ミリシーベルト)

・飲料からの経口による内部被曝
飲料は水、お茶、コーヒー、味噌汁、牛乳など全てそれに加えて炊飯などの水も加味して、1日2.5kg摂取すると仮定する。水質については水戸市のデータは日数が少なく、またセシウムが不検出となっていて信頼性が低いので、水戸市の近くで信頼性が高いと思われる牛久市のデータを借用する。
http://www.ibananww.ne.jp/kakonosokuteichi.htm
左側がヨウ素(I-131)、右側がセシウム類全ての合計である。

03/25 91.7Bq/kg 6.08Bq/kg
03/26 76.2Bq/kg 4.38Bq/kg
03/27 11.7Bq/kg 5.4Bq/kg
03/28 不検出 不検出
03/29 12.4Bq/kg 2.37Bq/kg
03/30 10.1Bq/kg 2.37Bq/kg
03/31 7.9Bq/kg 1.44Bq/kg
04/01 6.5Bq/kg 不検出
04/02 6.2Bq/kg 1.19Bq/kg
04/03 7.2Bq/kg 不検出

平均値を計算すると
ヨウ素22.99Bq/kg、セシウム2.323Bq/kg

ベクレル-シーベルト換算表は以下。

年齢I-131Cs-137U-235Pt-239
0-10.180.0210.354.2
1-20.180.0120.085 
2-70.100.00960.085 
7-120.0520.0100.0710.27
12-170.0340.0130.070 
17歳以上0.0220.0130.0470.25
表1 主な放射性元素の経口による実効線量係数(単位 μSv/Bq 空欄は未調査)

1日2.5kgの水分を摂取するとして、上記の換算表を用いて成人の1年間の被曝量を求めると
ヨウ素
22.99Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.022 μSv/Bq ≒450μSv = 0.45mSv
セシウム
2.323Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.013 μSv/Bq ≒30μSv = 0.03mSv
両方足すと
0.45mSv + 0.03mSv = 0.48mSv

規制値ギリギリの水分だけを摂取した場合も計算する。(表2参照)
ヨウ素
300Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.022 μSv/Bq ≒ 6020μSv = 6.02mSv
セシウム
200Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.013 μSv/Bq ≒ 2370μSv = 2.37mSv
ウラン
20Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.047 μSv/Bq ≒ 860μSv = 0.86mSv
プルトニウム
1Bq/kg × 2.5kg × 365日 × 0.25 μSv/Bq ≒ 230μSv = 0.23mSv
全部足すと
6.02mSv + 2.37mSv + 0.86mSv + 0.23mSv ≒ 9.48mSv

・食物からの経口による内部被曝
食物からの経口による内部被曝が一番予想が難しい。市場にどの程度汚染された食品が出回るかが予想できないためである。とりあえず暫定規制値がどうなっているかをご覧いただきたい。

放射性物質名食品種類日本欧州WHO
(非常時)
WHO
(平常時)
ヨウ素
(代表元素  I-131)
乳幼児飲料水・食品10015010010
飲料水・牛乳・乳製品30050010010
野菜類(根菜・芋類を除く)200020001000 
セシウム
(代表元素 Cs-137)
乳幼児飲料水・食品2004001000 
飲料水・牛乳・乳製品20010001000 
野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他50012501000 
ウラン
(代表元素 U-235)
飲料水・牛乳・乳製品・幼児用食品20   
野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他100   
プルトニウム類
(代表元素 Pt-239)
飲料水・牛乳・乳製品・幼児用食品1 1 
野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他10 10 
表2 放射性物質含有規制値(単位 Bq/kg 空欄は未調査)
日本=2011年3月17日暫定規制値
欧州=EURATOM(欧州原子力共同体)事故等の非常時の規制値

執筆現在、ヨウ素については根菜・芋類を除く野菜以外の規制値がないが、4月4日、魚介類からも検出された。今後規制値が設定されるものと思われる。そこで魚類については野菜類と同じ規制値となると仮定し、毎日規制値ギリギリの食品1.5kgを1年間食べるとし、その内野菜類と魚介類を0.5kg含むと仮定して以下の計算をする。

ヨウ素
2000Bq/kg × 0.5kg × 365日 × 0.022 μSv/Bq ≒8030μSv = 8.03mSv
セシウム
500Bq/kg × 1.5kg × 365日 × 0.013 μSv/Bq ≒3560μSv = 3.56mSv
ウラン
100Bq/kg × 1.5kg × 365日 × 0.047 μSv/Bq ≒2570μSv = 2.57mSv
プルトニウム
10Bq/kg × 1.5kg × 365日 × 0.25 μSv/Bq ≒1370μSv = 1.37mSv
合計
8.03mSv + 3.56mSv + 2.57mSv + 1.37mSv = 15.53mSv

・評価
以上の計算より評価をする。

累積放射線量人体への影響
1mSv一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)
2.4mSv1年間に自然環境から1人が受ける放射線の世界平均
10mSv世界で最も自然放射線量の多い地域の1年間の自然放射線
日本国原子力安全委員会の指針では被曝累計値がこの値になると一般人の「屋内退避」
50mSv日本国原子力安全委員会の指針では被曝累計値がこの値になると一般人の「避難」
100mSv人間の健康に影響が出ると証明されている放射線量の最低値(発癌率が0.5%増す)
表3 被曝量と人体への影響度の早見表

現在までの計算結果は以下。
大気中放射線被曝量 2.21mSv
吸引による被曝量 2.21mSv
飲料による被曝量 0.48mSv(実績からの予測値)
飲料による被曝量 9.48mSv(規制値ギリギリの水分だけを摂取した場合)
食料による被曝量 15.53mSv(規制値ギリギリの食品だけを摂取した場合)

こうしてみると大気中放射線被曝量と吸引による被曝量は通常より値は高く、規制値1mSvを超えているものの、自然放射線が含まれていることを考えるとそれほど高いとは言えない。ただし気になる人はマスクをすることにより吸引による被曝が大幅に減らせるのでマスクをした方が良いかもしれない。特に年齢が低いほど影響が大きいので、年少者のマスクは有効だろう。飲料による被曝は現状が好転も悪化もしないのであれば高い値とは言えない。問題は不確定要素の大きい食料による被曝である。これについては基本的にコントロールできないし、今後被害が拡大すると予想される。転居をしても食料はどこからでも来る可能性があるので、それほど有効とは言えない。合計年間被曝量は、最良の場合でもマスクをしなければおそらく6~7mSvには達するだろう。しかし最悪の場合でも合計年間被曝量は30mSv弱である。これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれの感覚によるが、100mSvには達しないので健康への被害はないと考えられる。ただしこれは1年以内と限定された場合の話で、この状態が数年続いた場合は、特に遺伝などへの影響については何とも言えない。従って政府が食料品の暫定規制値を本当に暫定(1年以内)で終わらせるかどうかが一番大きなポイントになると言えるだろう。
4/06日追記
通常のマスクでは効果が無いという説もあり。


4/06日追記
簡便な計算方法は、大気中放射線による被曝量を単純に4倍にする。誤差は大きいが参考にはなる。


※上記の計算および評価は、茨城県水戸市を例にした場合の計算と評価の「サンプル」です。地域により値が違い、人により食品摂取量が異なり、また評価も人によって厳しかったり甘かったり評価基準が異なるので、鵜呑みにせずにご自身で計算・評価してください。冒頭でも述べましたが、一度やってみると感覚が掴めます。


参考URL
ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)計算・換算(換算機能あり)
http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php
武田邦彦(中部大学) 原発 緊急情報(45) 迷っている人に(被曝は合計)
http://takedanet.com/2011/04/45_14ad.html
外気からの内部被曝のリスクを、ざくっと計算してみた
http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20110321/Radiogen2
福島原発今後、食品放射性物質基準値は妥当か
http://cyberbaba.blog57.fc2.com/blog-entry-205.html
放射線被ばく量の計算方法:李玲華・ドイツ重イオン研究所
(ヨウ素、セシウム実効線量係数)
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1355
「放射能(Bq:ベクレル)」から「被ばく量(Sv:シーベルト)」への変換について
東大病院放射線治療チーム(ウラン実効線量係数)
http://www.u-tokyo-rad.jp/data/bqsvhenkan2.pdf
european nuclear society Dose coefficient(プルトニウム実効線量係数)
http://www.euronuclear.org/info/encyclopedia/d/dosecoefficient.htm

当ブログ原発事故関連記事
3/18福島原発今後の予測
福島県放射線量そろそろ限界
SPEEDIによると30キロ圏外でも“内部被ばく”注意報
3/28福島原発今後の予想
福島原発今後、食品放射性物質基準値は妥当か
福島原発今後の予測被曝量計算方法
乳児ための放射性母乳傾向と対策
福島原発プルトニウムの危険性評価

社会・科学  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)  |  ↑Top

Comment

合算

大変参考になりました。有り難うございます。
ぴよまま |  2011年04月29日(金) 17:27 |   |  コメント編集

Re: 合算

ぴよままさん

どういたしまして、こちらこそありがとうございます。

計算方法はいくつかあるようですし、また評価は厳しかったり甘かったり人それぞれです。

あくまでも目安として考えていただければ幸いです。
CyberBaba |  2011年04月29日(金) 20:04 |   |  コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲TOP

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://cyberbaba.blog57.fc2.com/tb.php/206-1ec2fbcc

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲TOP

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。