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2011/04/21 (Thu) 22:30

乳児ための放射性母乳傾向と対策

市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」の4月20日の調査によると、福島など4県の女性9人の母乳の検査をしたところ、4人の女性の母乳から放射性ヨウ素131が検出された。
【マスコミ関係者の皆様へ】汚染の高かった地域のお母さんたちに母乳の検査を呼びかけます

ここには検査データが書かれていないので検査結果を探すと、こちらに結果があった。
中国でも高い関心「茨城県などで母乳から微量の放射性物質」
茨城などの女性の母乳から微量の放射性物質

----データ編----------------------------------------------------------------

千葉県、宮城県、福島県、茨城県の女性9人の母乳の検査をし、4人の母乳から以下の濃度の放射性ヨウ素131が検出された。
(セシウムは検出されなかった。)

居住地1回目2回目
千葉県柏市36.3Bq/kg14.8Bq/kg
茨城県守谷市31.8Bq/kg8.5Bq/kg
茨城県つくば市8.7Bq/kg
茨城県つくば市6.4Bq/kg

補助データ
母乳は乳児食品とみなされるので、乳児食品の暫定規制値を見ると、ヨウ素は100Bq/kg。
0-1歳のヨウ素131の経口による摂取のベクレル-シーベルト換算係数は0.18μSv/Bq。

----傾向編----------------------------------------------------------------

傾向を調べるにあたって、先ず暫定基準値が妥当かどうかを計算してみる。

乳児は毎日約1kgの母乳またはミルクを飲むので、暫定基準値ギリギリの飲料を1年間飲みつづけたとし、年間飲料だけで何mSv被曝するか計算する。

100Bq/kg × 1kg × 365日 × 0.18μSv/Bq = 6570μSv = 6.57mSv

つまり毎日基準値ギリギリの母乳またはミルクを飲みつづけると年間6.57mSv被曝する。それ以外に大気中放射線による外部被曝と大気中に浮遊している放射性物質の呼吸による吸引による内部被曝が加わる。だから決して低い値とは言えない。しかし高いとも言えず、グレーゾーンである。しかし基準値100Bq/kgはあくまでも「最高値」であり「平均値」ではなく、実際には被曝量はもっと低くなるので、基準値としてはまあ妥当と言える。従って神経質になる必要はないが、なるべく基準値よりも低い飲料を飲ませるべきだということになる。

ではどの程度が妥当な「平均値」かを計算してみる。大気中放射線による外部被曝と呼吸による内部被曝を加味しなければならず、これは住んでいる地域によってかなり違うのでなんとも言えないが、母乳またはミルクによる被曝は1mSv(1000μSv)以下に抑えるべきだと仮定して、平均のBq/kgを求める。

1000μSv ÷ 0.18μSv/Bq ÷ 365日 ÷ 1kg ≒ 15.2Bq/kg

これを最初の検査結果と照らし合わせてみる。千葉県柏市と茨城県守谷市の女性の検査値がやや高めではあるが、4人とも心配する値ではないことが分かる。しかし気になるのであれば、なんからの対策をした方がベターと考えられる。

----対策編----------------------------------------------------------------

ヨウ素131などの放射性物質を体内に取り込む経路は3つである。
  1. 飲料からの経口摂取
  2. 食料からの経口摂取
  3. 呼吸からの吸引摂取

このうち母乳に大きな関係があるのは、飲料と食料である。赤ちゃんに安心な母乳を与えたいならば、飲料と食料に気を使った方がベターいうことになる。具体的には以下のとおり。
  1. 水道局の水質データを毎日チェックし、放射性物質濃度が高いときは飲んだり調理に使ったりしない。
  2. 食品を購入する際には産地に気をつける。

水については、濃度の低いときに1、2日分くらい汲み置きしておくか、ミネラルウォーターを常備しておくと良いだろう。だが水道水の放射性ヨウ素の濃度が高いのは一時的現象であり、通常は微量に収まっているので、平均すれば特に問題ないとも言える。水道水を絶対に使わないなどと極端なことをする必要はなく、ニュースになったときに汲み置きやミネラルウォーターを使えば良い程度である。

食品については、産地の方には申し訳ないが、母乳を与えているお母さんに関しては摂取は好ましくないと言える。それ以外の成人については、毎日わざわざ基準値ギリギリの食品ばかり食べるのでなければ、神経質になる必要はないだろう。

なお乳児用粉ミルクを溶く場合には、ミネラルウォーターを使うのは好ましくないという説がある。ミネラル分が多すぎて、赤ちゃんには負担になるからだそうである。

いずれにしても、ニュースで水質汚染が報道された地域に住む乳幼児を抱えるお母さんは、定期的に母乳の検査をした方が良いと考えられる。現時点ではまだ検査体制は整っていないが、おそらくそのうち検査体制が整うと予想される。

--------------------------------------------------------------------------

参考URL
福島原発今後の予測被曝量計算方法

当ブログ原発事故関連記事
3/18福島原発今後の予測
福島県放射線量そろそろ限界
SPEEDIによると30キロ圏外でも“内部被ばく”注意報
3/28福島原発今後の予想
福島原発今後、食品放射性物質基準値は妥当か
福島原発今後の予測被曝量計算方法
乳児ための放射性母乳傾向と対策
福島原発プルトニウムの危険性評価

社会・科学  |  トラックバック(0)  |  コメント(9)  |  ↑Top

Comment

乳児向け基準値の妥当性について

はじめまして。私もCyberBabaさんとは別の観点から、飲料水中のヨウ素131の乳児向けの基準値の信頼性を考えてみました。2つの出所の実効線量係数を用いて、それぞれ独立に計算してみました。もしご関心あれば、下記ブログをご覧ください。唐突に失礼いたしました。
http://tosharelinks.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
IS |  2011年04月23日(土) 12:58 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

ISさん

コメントありがとうございます、ブログ拝見しました。いろいろな計算があり、どれもそれなり根拠があるので、このような計算は大事だと思いました。

ISさんの計算によると、1日ヨウ素131を100ベクレル/kg含む母乳を800g摂取すると、70歳までに14 µSv被曝するということですね。これを365日摂取したすると、70歳までに5.1mSv被曝することになります。半減期を考慮してもこれは大した量ではありませんね。

そういう計算と同時に、チェルノブイリなどの統計に基づく調査もあります。それらを総合的に見て危険度を推測する必要があると思います。それらによると、やはり厳しめに見るのが妥当かと思います。

しかしこれらの計算はいろいろな方式で計算すべきだと再認識いたしました。

誠にありがとうございます。
CyberBaba |  2011年04月24日(日) 00:10 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

追記です。

私どもの計算の他の計算方法としては、放射性元素の性質によって、年齢や人体のどの部位が癌になりやすいかという計算もあります。例えばヨウ素の場合、低年齢者の甲状腺癌の確率が増えます。おそらく厳密に計算すれば、そういう計算の方が正しいのだと思います。ただ、厳密に計算しようとすればするほど厳密なデータが必要となり、データが揃わない場合は誤差が大きくなる傾向があります。ですからラフな見積りというのも、個人的には重要視しています。
CyberBaba |  2011年04月24日(日) 00:25 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

ご丁寧にコメントありがとうございます。

>そういう計算と同時に、チェルノブイリなどの統計に基づく調査もあります。それらを総合的に見て危険度を推測する必要があると思います。それらによると、やはり厳しめに見るのが妥当かと思います。

私の今回の計算
http://tosharelinks.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
は、厚生省を養護するような結果になってしまいましたが
基本的には、批判的な態度で
妥当性を検証していきたいと思っています。

統計データも、それはそれで検証していく必要があると思います。

ただ、チェルノブイリの資料は、私が知る限りでは調査対象者の
「飲んだ牛乳の放射性物質の濃度と量」や
事故当時の「環境放射線量」に関する情報がありません。

(ソースをご存知でしたら教えていただきたいです。)

つまり、福島のケースとの直接比較するための材料がなく、
その点、もどかしく思っています。



>半減期を考慮してもこれは大した量ではありませんね。

実効線量係数は半減期も加味した値です。
半減期を踏まえて「70歳までに被曝する量」なのです。

>私どもの計算の他の計算方法としては、放射性元素の性質によって、年齢や人体のどの部位が癌になりやすいかという計算もあります。

>例えばヨウ素の場合、低年齢者の甲状腺癌の確率が増えます。

私の記事では2つの出所の実効線量係数を用いましたが
その1つ(ブログ中#7、日本産科婦人科学会が参照している
英国安全衛生庁,HSEのもの)
は甲状腺用の係数です。

「低年齢者であること」
も、実効線量係数に加味されています。

もしよければ
科学史研究者guskantさんによる「被曝量を計算してみよう」というサイト
http://guskant.github.com/bgs/efficace.html
を読んでみてください。

面識もないのに、議論的な文章になりましたこと
申し訳ありません。

今後もブログ、楽しみに拝見させていただきます。
IS |  2011年04月25日(月) 01:19 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

度々申し訳ありません。
肝心なことですので訂正させてください。

>私の記事では2つの出所の実効線量係数を用いましたが
>その1つ(ブログ中#7、日本産科婦人科学会が参照している
>英国安全衛生庁,HSEのもの)
>は甲状腺用の係数です。

正しくは「実効線量係数」ではなく「等価線量係数」でした。
失礼いたしました。

(余談ですが、CyberBaba様の係数、0.18μSv/Bqの出所にも関心があります。差し支えなければ教えていただけないでしょうか。)
IS |  2011年04月26日(火) 05:28 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

ISさん

度々ありがとうございます。

>厚生省を養護するような結果になってしまいましたが
>基本的には、批判的な態度で
>妥当性を検証していきたいと思っています。

なるほど。低線量被曝に関しては分かっていないことが多いですね。これもいつか書きたいと思っているのですが、低線量は健康に悪影響も好影響も与えないという説と、悪影響を与えるという説と、好影響を与えるという説があります。

チェルノブイリについての被曝量別の詳細なデータがあれば良いのですが、私も残念ながら知りません。ただ言えるのは、作業員については外部被曝、一般の人については内部被曝の影響が大きかったらしいというくらいです。以下のビデオを観ての感想ですが。
「チェルノブイリ事故の犠牲者は100万人」
http://www.youtube.com/watch?v=jDRtTb99Qh0

「被曝量を計算してみよう」拝見しました。よく見ると、私の実効線量係数と同じですね。出所は以下の記事の参考URLに書いてありますが、おそらく大本はICRPでしょう。http://cyberbaba.blog57.fc2.com/blog-entry-206.html

ただ70歳までに被曝するというのはちょっと間違いやすいですね。毎年均等に被曝するのではなく、最初に多く被曝し、だんだん被曝量が減っていく。とくにヨウ素131の場合は半減期が8日ですから、一年以内でほとんど全量被曝します。セシウム137は半減期30年ですから、均等ではないもののヨウ素131よりは均等に近いですね。私も最初間違えて、70歳まで均等に被曝するのだと思って大したことないとか書いてしまいましたが、そうではないですね。

ところで実効線量(全身の健康影響を評価するための量)と等価線量(人体組織への影響を表す量)ではどちらが実態に近いのでしょうか?ご教授いただければありがたいです。

どちらで計算しても極端に恐がる必要な値ではなく、100Bq/kgはほぼ妥当な値だとは思いますが、念のため気をつけた方が良いと思います。
CyberBaba |  2011年04月27日(水) 03:15 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

再びのコメントありがとうございます。

ウクライナの件、事故処理に従事した作業員の『確定的影響』は明らかに現場での被ばく量の高さ(事故を10日で収束させたのですから)からくるものであり、人道的な配慮がされている福島の件とは比べられないと思います。

また、『確率的影響』、所謂、内部被曝による発がん率の増加については、「放射性物質を含むミルクを飲んだのが主な原因」とよく聞くのですが、信頼できるソースとしては、現時点では日本核医学会の発表 ↓ のみしか把握できておりません(まだ本格的なリサーチをはじめていないので)
http://www.jsnm.org/japanese/11-03-18

係数の出所もありがとうございます。
IS |  2011年04月27日(水) 09:31 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

(分割して投稿させていただきました)

> ところで実効線量(全身の健康影響を評価するための量)と等価
>線量(人体組織への影響を表す量)ではどちらが実態に近いので
>しょうか?

よろしければ、以下のリンク先にまとめがあります。
*1 http://tosharelinks.blog.fc2.com/blog-entry-2.html

「どちらが実態に近いか」と言うより、
2つの値は「議論の文脈によって使い分けられる」値であるようです。

a 等価線量=人体組織への影響を表す量
b 実効線量=全身の健康影響を評価するための量

であり、a, bそれぞれに基準値が設けられています。

a から b にも換算できますし、等価線量係数、実効線量係数、それぞれを用いて計算することもできます。

なぜ2種類あるのか → b 実効線量が設けられている理由 → 組織ごとの被ばく量(等価線量)をバラバラに議論するのは不便なケースにおいて、それらの量を統合して「全身が均等に被ばくした場合」に換算することによって、被ばく量を一元的に議論するため。

というのが私の理解です。

例えば、ヨウ素131は甲状腺被ばくが議論の焦点になるので、議論には通常、「a 等価線量」が用いられるようです。セシウム通常、b 実効線量で議論されるようです。

以下、a 等価、b 実効を明記してしている貴重な文書の一つです↓
「放射性物質に関する緊急とりまとめ」(PDF) by 食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110329sfc&fileId=115
(例:ヨウ素131による被ばくは、等価なら 50mSV, 実効で言えば5mSv といった記述が見られます)

詳細はよろしければ、リンク先*1をご覧になってください。

長文失礼いたしました。
IS |  2011年04月27日(水) 09:44 |   |  コメント編集

Re: 乳児向け基準値の妥当性について

ISさん

コメントおよびリンクの提示ありがとうございます。

チェルノブイリの外部被曝の件については同感です。福島の方が遥かに安全配慮がされていると思います。
チェルノブイリの内部被曝については確かにデータを明示したソースを私も見たことがありません。日本核医学会の発表のリンクも、これはこれで良いのですが、定性的な話で定量的ではないですね。

等価線量と実効線量の違いについては少し理解できてきました。ありがとうございます。
「放射性物質に関する緊急とりまとめ」(PDF) by 食品安全委員会を読みましたが、いろいろな意味で興味深いですね。よく言われているような「基準値引き上げ工作」ではなく、それなりに検討して決めた基準値であることがよく分かります。しかしその根拠は、ほとんど全て様々な文献からの推測で、根拠としては弱いですね。分かっていない事が多いのでいたしかたないとは思いますが。

また何かありましたらよろしくお願いいたします。
CyberBaba |  2011年04月29日(金) 05:14 |   |  コメント編集

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