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2009/04/11 (Sat) 21:00

落語「五人張り」

自作現代落語「五人張り」です。


僕は学校で弓道をやっていますが、それ以外にも師匠がいます。
流派の名前は為朝流、別名無手勝流とも呼ばれる流派です。
始祖の源鎮西八郎為朝は、
五人張りという五人掛かりで張る強弓を引き、
飛ぶ鳥も落とすと言われた名人です。
永らく流派がとだえてましたが、
為朝師匠自らときどき夢枕に現われ、直々に指導を受けてます。

弓道は普通、伝統とか型とか作法とか一挙手一投足までうるさいのですが、
為朝流の免許皆伝となるには、
第一にウサギをとること、
第二に五人張りの弓を引くこと、
そして最後は飛ぶ鳥を落とすことだけです。
このシンプルで豪快なのが気に入っています。


先日師匠が、
「どうじゃ、もうウサギはとれたか?」
と聞くので、
「いえ、まだです。」
と答えたところ、
「ばかものっ、ウサギぐらいとれんでどうする!」
と怒られてしまいました。
「だって師匠、今時この辺にウサギなんていませんよぉ。」
と言ったら、
「武士が言い訳などするなっ、ウサギをとれっ!」
とすごい剣幕です。
武士じゃないのにぃ、
と内心ふてくされながら、
「犬や猫でもいいですかぁ?」
と、どうせできやしないけど聞いてみたら、
「ダメじゃっ、ウサギじゃっ!流派の伝統を守れ!良いなっ、ウサギでなければ破門じゃぞ!」
と言ってかき消えてしまいました。


こまったなー、ウサギなんかとれるわけないし、
変なところで伝統を守れとか、第一そんなもんいやしない。
途方にくれましたが、はたと思いつき、
ゲームセンターに行きました。
大枚はたいてようやくの思いでUFOキャッチャーでウサギをとりました。
家に帰ってから、30センチの至近距離から弓を引き、
矢を刺して置いておきます。
こんなんで大丈夫だろうか?と思いましたが、
何とかするしかありません。


ふたたび師匠が現われ、
「どうじゃ、ウサギはとれたか?」
と聞くので、
「はい、とれました!」
と答えます。
「よしっ、見せてみろ。」
と師匠は言います。
ばれませんように、
と祈りながらぬいぐるみをそっと見せると、
「よしっ、それでよしっ!」
というあっけない師匠のお言葉。
「えっ、いいんですか?」
ちょっと驚いて聞きます。
「なんじゃ、なにかあるのか?」
「いっ、いえ別に・・・」
「本当か?ちゃんと自分でとったのであろうな?」
「えっ、はい、自分でとりました。」
「他人に弓を引いてもらったとかないであろうな?!」
「いえ、ちゃんと自分で引きました!」
「よしっ、それでよしっ!」
師匠も意外とチェックあまいです。

「よしっ、次は五人張りの弓だ。五人張りを引けるようにしておけ!」
「えっ、いきなり五人張りですか?!僕まだ13キロの弓しか引けないのに。」
「13きろとはなんのことだ?五人張りを知らんのか?」
「いえ、知っています。五人掛かりで張る弓のことでしょう?」
「知っとるではないか。よいな、五人張りじゃぞ。」
「わかってます。流派の伝統でしょ。やらなければ破門でしょ。」
「わかっとるではないか。よいな、五人張りじゃぞ!」

消えてしまいました。


ふたたび途方にくれます。
こまったなー、そんなもん引けるわけないし、
第一そんな弓、どうやって手にいれるんだ?
はたと思いつき、学校の道場に行きます。
仲間を集めて、
「おい、みんな、ちょっと手伝ってくれ。弓張ってくれ。」
「なんだなんだ、弓ぐらい自分で張れ。だいたいこんなに人数いらんだろ。」
「いや、だめなんだ、四人いるんだ。」
「四人だとぉ、為朝のまねでもするのか?」
ぎくっ、図星。
でもこれは内緒です。
「まあ雷除けのまじないみたいなもんだ。」
自分を入れて五人で張ります。
よし、これで五人張りだっ、満足満足です。
張ったままの弓を持ち、満員電車に乗ります。
迷惑そうにじろじろ見られて、みっともないけどしかたありません。


師匠登場です。
「どうじゃ、五人張りは引けるようになったか?」
「はい、なんとか。」
「よし、引いてみろ。」
「はい!」
弓を引いてみせます。
「ほお、ちゃんと引けるではないか・・・。ごまかしては居らんだろうな?」
ギクッ。
「本当に五人張りか?!」
「はっ、はいっ!」
「三人や、四人ではないだろうな?」
「いえ、五人ですっ!」
「よしっ、それでよしっ!」
ふう、あぶなかった。
天下の為朝といえども、ちょろいもんです。


さてと、いよいよ次は鳥かな?
「よしっ、次はウサギをとれっ!」
げっ、またウサギぃ。
やっぱりばれてたか。
ウサギなんてとれっこないし、
これでいよいよ破門かぁ。
師匠を怒らせるとおっかないし、
無手勝流なんてかっこつけるんじゃなかった・・・。
「良いな、鵜(ウ)と鷺(サギ)じゃぞ!」
鵜と鷺ぃー、なんじゃそれ。
ここでいきなり駄洒落かぁ、あったま痛。
でも、やっぱり、こんなの絶対、無理だぁ。
「他の鳥では、鵜と鷺でなければ、やっぱり、破門でしょうねぇ?」
「とは言うても、今時ここらに居らんじゃろ。」

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Comment

僕も

春風亭恋鯉です

柳昇一門
青野信 |  2009年04月19日(日) 03:00 |   |  コメント編集

意外です

落語好きなんですね ^o^
CyberBaba |  2009年04月19日(日) 08:38 |   |  コメント編集

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