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2009/07/15 (Wed) 21:00

マハシ式ヴィパッサナーの特徴

MahasiSayadaw.jpg


マハシ式ヴィパッサナー瞑想は、
ミャンマーのマハーシ・セヤドー(1904~1982)によって、
パオなどの伝統的瞑想法を基に考案された瞑想法です。

伝統的な瞑想法では在家はもちろん出家であっても、
全カリキュラムを修了するのは非常に困難で、
一般の出家・在家がより修行しやすく変更した瞑想法です。

特徴としては以下のことが挙げられます。

・サマタとヴィパッサナーを特に区別することなく、
 修行の初めからヴィパッサナー(自己観察瞑想)を行うこと。

・気づきを頭の中で言語化すること。(ラベリング、これが最大の特徴)

・座禅と歩行禅を交互に行うこと。

・観察の難しい従来の人中(鼻の下)での呼吸の観察から、
 より容易な腹での呼吸の観察に改められていること。
 (ただし、呼吸が観察できればよいので、
  人中、腹の違いは一般によく言われるほど重大な問題ではない)

座禅では呼吸をお腹の膨らみ縮みで観察しその気づきを、
「膨らんでいる」「縮んでいる」とラベリングします。
お腹の膨らみ縮み以外に何か気づいたら、その気づきを言語化します。

歩行禅では足の動きに注目し、
「(足が)上がっている」「前に動いている」「降ろしている」とラベリングします。
足の動き以外に何か気づきがあれば、その気づきを言語化します。

座禅、歩行禅どちらにしても、最も強い気づきを言語化するのが原則です。
このラベリングがマハシ式の最大の特徴です。
眠気や雑念・妄想を防ぐのにとても役に立ちます。

主な注意点は以下の3つになります。

・あくまでも気づきをラベリングするのであって、
 機械的に「膨らんでいる、縮んでいる」などとラベリングしないこと。
 機械的に言語化するのはヴィパッサナーではなく、一種のマントラヨーガとなります。

・ラベリングは一種の思考です。
 つまり、思考を離れてあるがままを直観するという、
 ヴィパッサナーの根本に反する部分があります。
 いずれラベリングの限界に直面することがある可能性を忘れないようにします。

・もし呼吸または足の動きに完全に集中し、それ以外の気づきが生じなくなったら、
 それはヴィパッサナーではなくサマタとなります。
 雑念・妄想に振り回されて呼吸や足の動きに意識が全く行かなくなるのは問題ですが、
 呼吸や足の動きだけしか見えなくなったら、方法を変える必要があるでしょう。

マハシ式ヴィパッサナーを日本で教えているのは以下になります。
日本テーラワーダ仏教協会
グリーンヒル瞑想研究所
藤川チンナワンソ清弘和尚

マハシ式の注意点については後ほどさらに詳しく解説する予定です。



シリーズ記事
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パオ式ヴィパッサナーの特徴
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ゴエンカ式ヴィパッサナーの特徴
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